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呼んでも来ない時のトレーニング

  • 最初の3日間は、絶対に名前を呼ばないようにしてください。用があったら、自分から愛犬のところに行ぐようにしてください。
  • 次の3日間は、1回呼んで来てくれたら、必ずおいしいおやつを与えるようにしてください。来なかったら何もせずに無視してください。
  • 7日目には、呼んだら必ず飼い主さんのもとに来るようになっているはずです。
  • できればその後も、呼んで来てくれたら何回かに1回はおやつを与えるようにしてください。おやつを与えなぐても、必ずほめるようにしてください。

「ほめる」とは、犬が喜ぶ状態にしてあげることを言います。犬がうれしそうでなければ、ほめられていないということなので、気を付けてください。高い声でテンポよく声をかけてやると「うれしいモード」になりやすいようです。

大事なのは、犬という動物が自分のところに来たらうれしい状態にすること。犬との関係が良くなれば、飼い主さんが喜んでくれることが、愛犬にとって最高のごほうびになることもあります。

しかし残念ながら、犬を飼っているすべての人が経験できることではないと思います。愛犬との良い関係を作っていくことはとても楽しいことですので、愛犬とのトレーニングはとても大事なことになります。

また、犬の困った行動にマーキングがあります。

マーキングは、叱って直るものではありません。また、「トイレのトレーニングができていない」という問題とも違います。トイレを忌れたわけでもありません。

トイレの成功率が80%以上になったら、トイレでしなぐてはならないことは理解しているはず。それ以降の失敗は「わざと」か、マーキングの疑いがあります。

あとは粗相をした場所によって見分けることができます。たとえば、廊下や玄関など、わざわざ人が通るところにする排泄はマーキングである可酳性が高いです。飼い主さんから見えるところに、犬が印を置いているのです。

テーブルの脚や冷蔵庫、キッチンの入口にするのは、食べものに対するアピールがありそうです。テレビやソファにかけるのは注目されたい場合。特定の人が座るイスや服などにするのはその人に叱られた、あるいは忙しくしていてかまってぐれない、などのチャレンジやアピールが考λられます。窓やテラス付近なら、外に対するなわばりの主張である可能性があります。

ベランダのある家でカーテンにマーキングされる場合は、かなりの確率で左右どちらかの側に偏っているのです。多くは飼い主さんのサンダルがあるほうにするようです。理由は「飼い主さんが必ず発見してくれる」、「ほかの人も出入りするかもしれない」。だったらここは自分のなわばりですよ!と印を置いておきたいのだと思います。

 

飼い主さんもトレーニングしなければならない

訓練所を飛び出した後、次の修業先をインターネットで探していた私は、犬をトレーニングする仕事ではなく、困っている飼い主さんにアドバイスするサービスをしている学校を見つけました。そこは、海外の学校でした。

日本に代理店があるようでしたので研修費を振り込み、出発しようとしている私を見て、母は「向こうに行って何もなかったらどうするの?」と心配していました。ところがどっこい、「向こうには何もない」どころか、そこにはテレビやフジオで活躍していたドックトレーナーを始めすばらしいスタッフたちがいました。彼らの指導を受けながら過ごした研修期間は、まさに「目からうろこが落ちる」毎日だったのです。

私が研修生として入ったころはちょうど忙しい時期だったようで、朝5時に迎えに来てもらい、夜10時に帰宅、なんていう日も多々ありました。それでも本当に楽しく、多くのことを学ばせてもらいました。ランチを取るヒマもない日もありましたが、ビーチに車を停めて海を見ながら手作りのサンドイッチをほおばっていると、忙しさなんて苦になりませんでした。

レッスンでは、飼い主さんのお宅へ伺い、愛犬の状態と飼い主さんとの関係を分析し、問題点を探し出します。先生のカウンセリングカはすばらしく、帰国後、私もカウンセリングの勉強をするために学校に通いました。カウンセリングをして、問題行動の原因を探し、それによって愛犬のためのプログラムを作成するのです。

あるレッスンでのこと。会社を経営しているという60代くらいの紳士が、彼に対して最初は社員に対するかのようにとても横柄に振る舞っていたのですが、カウンセリングが始まるとどんどん態度と顔つきが変わっていくのです。最後には服従した子犬のようになり、人なつこい笑顔を見せては「おもしろい!」と言いながら一生懸命メモを取っていました。

優秀な経営者は、柔軟な思考力を持っているんだと感心しました。

また、「(愛犬のチワワと)一緒に寝てはいけません」と言った途端に泣き出してしまった70代の女性や、しつけに失敗したにもかかわらず「私はインターネットでいろいろ調べたので、あなたよりしつけのこと、ましてや愛犬のチワワのことはよく知っているわ!」と言わんばかりに自分の非をなかなか認めない40代のキャリアウーマン風の女性もいました。

せっかく問題行動を改善するためのプログラムを作ったのに何も実施せず、愛犬に「おりこうになるように、やってはいけないことをこんこんと言って聞かせました」という80代のおばあさんも……。本当に興味深い、いろいろなケ-スを体験することができました。

先生のアドバイスを素直に聞き入れ、飼い主がそれまでの愛犬との接し方を変えてくれただけで、どんどん犬の行動が変わっていく様子もたくさん目の当たりにしました。本当にすばらしい驚きでした。

その学校の人が飼い主さんにアドバイスを行うときに使用する基本ルールは、私の「ベースプログラム」の基礎になっています。

日本の訓練所と海外の学校で学んだことには、明らかな違いがありました。それは、訓練所では「犬」を訓練することだけを教わったのに対し、そこでは「飼い主さん」を訓練すること、飼い主さんが愛犬を扱えるようにアドバイスすることを教わったことです。

また、訓練所では犬がしてほしくない行動をしたり、してほしい行動をしなかった場合、体罰などのマイナスの対処をするのに対し、そこでは、してほしい行動をするようにごほうびで誘導する、あるいはしてほしくない行動をごほうびで誘導して、してほしい行動に変えるというプラスの対処をすることを教わりました。

私は、飼い主さんとよく話をして、愛犬を受け入れていただいた上で問題行動の原因を見つけ、それを改善するための掖し方をお教えして飼い主さんを指導していきます。飼い主さんには、プラスの対処方法で、愛犬の理想の行動を導いていただけるようアドバイスしています。